多彩なるかなキノコ、きのこ、茸
検定試験を受けざるの記
2月25日に「きのこ検定」という、主催団体には申し訳ないのですが、マイナーな検定が行われます。合格したからといって、特にメリットはありません。書面によるテストのみなので、きのこ狩りの名人になることもできません。きのこに関する雑学が身につく、それを自慢できる、それだけ。
1級まで取得し、
「えへへ、こやんぴはきのこ検定1級だもんねぇ。」
と言いたいがためだけに、昨年、下から2番めの3級を取得しました。今年は上位級を受験べく準備を始めようかなぁ、と思っていました。
でも、受けません。急にきのこが嫌いになった? いえいえ、今でもきのこは見るのも食べるのも大好きです。
それではなぜ?
友人たちとの旅行の日程と重なってしまったからです。
「きのこ検定と重なるので行かない。」
とは言えないほど、その計画が魅力的なのです。
友人のうち一人が、学校卒業直後に勤務した世界遺産の建物を何十年ぶりに訪問し、
「この建物にみんなで泊まったんだよね。仕事の悩みとか、彼女とうまくいっていないこととか、いろいろ語りあったよね。それが今や世界遺産なんだものねぇ。他の見学者の人たちに自慢しちゃおうかなあ。」
と、「しみじみ」しようというのです。さらに、「秘湯を守る会」会員の旅館で炭酸泉にどっぷりと浸かるプラン・・・
きのこの光り輝くような魅力も、この計画の前には精彩を失い、敗退を余儀なくされたのです。ごめんなさい、きのこたち。来年は1級取得するぞ! えいえいおー!
「おおっ!」と思ったきのこ
きのこについては、
「きのこって、スーパーでは野菜売り場に並べられているけれど、植物じゃあないんだよ。どちらかというと動物に近いんだよ。」
などと、いっぱい語りたいところですが、興味ないですよね。
今日のところは、こやんぴが、
「何じゃこりゃあ!」
と叫んだきのこをご紹介するにとどめておきます。
でも、いつか、きのこについて語ります。たとえ、誰も聞いてくれなくても。だって、それが「きのこ検定」に受かった者の使命ですもの。
(きのこ検定運営委員会が泣いて喜ぶような決意ではありませんか。)
さて、このきのこ、見たことありますか?
近所の河原で、ヒガンバナの咲く頃に見かけました。
手の指がささくれると痛いですよね。このきのこも、傘にささくれがいっぱいあります。炊事洗濯で苦労したのでしょうか? 痛くはないのでしょうか?
安直な気もしますが、これが名前となりました。
ササクレヒトヨタケ。
ささくれている一夜のきのこ、そういった意味です。
「ささくれは分かったけれど、一夜とは何よ?」
その答えは、こちら。
地上で成長しきると、哀れ、翌日にはこんな姿になってしまうのです。そして、とろけるように消えてしまうのです。それで、「一夜だけのきのこ」、ヒトヨタケなのです。
ちなみに、「ヒトヨタケ」であって、「ヒトヨダケ」ではありません。「タケ」は、きのこを意味する「茸」なのです。「一夜だけ」がそのまま名前になったわけではないということです。
(完全な蛇足ですね、これ。)
食用にする気にはなりませんよね。ところが、ヨーロッパでは食用にしているとか。どんな味がするんでしょうか。興味はありますが私は食べません。この姿を見てはどうもねぇ。
イギリスのチェルトナムの民家の芝生にもいっぱい生えていましたが、イギリス人はロシアやドイツのような大陸の人に比べ、きのこ自体をあまり食べないとか。本当かな?
「ありゃりゃ!」と思ったきのこ
蓼科の森の中で見つけたきのこ。
最初は、白いマツバランかと勘違いしてしまいました。
「白いなんて、ちょっとおかしいな。」
とは思いつつも・・・
先が枝分かれしているところが、数日前にご紹介したシダ科の植物、マツバランに似ているといえば似ていますよね。
マツバランはホウキランとも呼ばれます。「まるで箒」のようなその姿に迷わされてしまった次第。でも、暗い林の中という環境、しかも真っ白なので葉緑体を持っていないことは間違いありませんので光合成は不可能。だから、光合成をするマツバランであるはずがありません。
ホウキタケという名のきのこでした。ホウキタケは「歯切れもよくおいしい」んだそうですが、よく似たハナホウキタケやキホウキタケが毒なので、食べない方が無難かな、と思います。