オニグルミの冬芽がすごい
私の住む地域を流れる河川の岸辺には、オニグルミ、ハリエンジュ(ニセアカシア)などの木が生育しています。
国土交通省は、水流の障害になるという理由から、時々、これらの木々を伐採してしまいますが、オニグルミもハリエンジュも負けてはいません。すぐに次の世代がぐんぐんと成長を始め、数年すると花を付け、実を付けるまでに成長します。
冬は、オニグルミもハリエンジュも葉を落としてしまい、寂しげで何も無いように見えます。ところが、彼ら、彼女たちなりに、春に向けての準備を着々と進めているのです。私たちが知らないだけなのかもしれません。
特にオニグルミは、厳しい寒さの中でも枝先の一つ一つに彫刻を彫り上げているのですから驚きです。
写真は、その作品の一つ。
私には、少女像のようにも、観音像のようにも見えます。冬季オリンピックが近いからでしょうか、フィギュアスケートの選手が4回転ジャンプを飛んでいるようにも見えてきました。
春を待つ新芽と一年前の落葉の跡とが、この奇跡の像を造り上げているのです。
オニグルミは、春になると雄花と雌花を咲かせます。クルミの木から垂れ下がるようにして咲く雄花はとても目立ちます。ですから、雄花だけをクルミの花と思っている方もいらっしゃいます。
雌花は目立ちません。派手さがありませんし、新芽の先頭に位置しているため、なかなか気がつかないのです。
でも、ご覧になった方の大半は、
「まあ、何て可愛いの!」
「赤ずきんちゃんだ!」
と感激の声をあげるのです。
雄花は、花粉を虫に任せる虫媒花ではなく、風に運命を託す風媒花です。風によって運ばれた無数の花粉のうち運の良い花粉だけが、他の木の雌花にキャッチされて実を結ぶのです。
観察していると、同じ木の雄花と雌花は咲く時期を調整していて、自家受粉が生じないようにしているように見受けられます。おもしろいですね。