「社労士こやんぴ」のぶらりお散歩ブログ

お散歩大好きの「社労士こやんぴ」が、ふと出会った植物や動物たちについて思いつくままに記していきます。

香り立つ花がもう・・・

 「年賀状出しに行くついでに散歩して来るね。」

 そう妻に言うと、

 「私も行く。」とのこと。

 

 仲がいいんですねえ。ええ、そうなんです。

 

 農業用の水路を覗き込んでみると、おやまあ、もう、オオイヌノフグリが花をつけています。冷たい北風の通らない南向きの斜面に位置しています。それで、冬至を過ぎて少しだけ光に力強さを増してきた太陽さんに早々のごあいさつができるのでしょうね。

 

 残念ながら、葉が厳しい寒さで傷んでいるし、花数も少ないので、カメラには収めませんでした。下のピンぼけ写真は、ストックから引っ張り出したものです。

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 オオイヌノフグリ外来種です。近似の在来種であるイヌノフグリは、「大犬」におされて影の薄い存在になってしまいました。ちなみに、「犬のふぐり」に似ている実をつけるのは在来種の方で、オオイヌノフグリの実からは「犬のふぐり」を想像することは難しいかもしれません。

 

 「ねえ、ねえ、こやんぴ! そもそも『ふぐり』ってなあに?」

 「私の口からは申し上げることはできません。」

 

 かわいそうな名前がついてしまったオオイヌノフグリですが、遠慮深そうな天色(あまいろ)のグラデーションは、早春の妖精と呼んでも決してほめ過ぎではないでしょう。

 ぎっしりと咲き誇るので、タンポポなどと同じように、開いたり閉じたりを繰り返し数日間は散らないとも思えるのですが、実は一日花なのです。朝開いた花は夕方には散ってしまいます。

 

 おもしろいのは、ピンぼけ写真からでも分かるように、両手で力こぶを作るような格好をした二本の雄蕊。虫の助けを借りて、雄蕊の花粉を他の花の雌蕊に受粉させるのが使命ですが、運悪く他の花の花粉を受け取ることのできなかった個体は、散るに際しおどろくべき行動に出ます。

 

 困惑した時に、両手で頭を抱える姿をご想像ください。それと同じような動きをするのです、この花は。

 力こぶを作る恰好だった二本の雄蕊が、「おいおい、相棒。うちの雌蕊さんの大ピンチだ。ぐずぐず出来ねえ、行くぜ。」、「おうよ、相棒。合点承知の介よ。」とばかりに声掛けあって、みごと雌蕊の頭にくっついて受粉を遂げるのです。自然の神秘。

 

 匂い立つ花木も咲いていました。

 「あっ、ボケの花!」

 元教員の妻の声は大きいのです。よく響くのです。側に人がいたら、この一言を聞き漏らすことはなかったでしょう。

 

 幸い、近くには人影はありませんでした、私以外には。

 「幸い? どういうこと???」

 どうして幸いかですって? だって、花の名前が違うんですもの。

 私は周章狼狽。だって、他の人に聞かれて妻が恥をかいては大変ですもの。

 

 勘の鋭い方はもうお気づきかもしれませんね。その花の名前が何であるかを。

 

 ・・・ そう、そのとおりです。ロウバイです。私がこんなにも狼狽する訳です。

 

 芳しい香りを辺り一面に振りまきながら、ロウバイの木は、艶のある不言色(いわぬいろ)の花を、どこまでも青い冬空の下に咲かせておりました。

 
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