「こやんぴ」のぶらりお散歩ブログ

お散歩大好きの「こやんぴ」が、ふと出会った植物や動物たちについて思いつくままに記していきます。

地元シニアの青梅バス旅行(後編)

 中編でご紹介した「食い逃げ」トラブルは、私たちメンバーの食事代は私たちの会計が支払い、旅行会社分は旅行会社で支払うということが宿側に理解されていなかったからのようです。 

 

 確認したい宿側からの声掛けに配慮が欠けていたために、旅行会社の社長さんが怒ってしまったらしい・・・。

 

 はい、この件は忘れて、最終目的地に向かいましょう。

 

 最終目的地は、「青梅宿 津雲邸」。青梅市の市街地にあります。

 こちらの施設は、企画展を実施している間の金、土、日曜日及び祝祭日しか開館しません。私たちが伺ったのは9日の火曜日。特別に開館してくれたようです。ありがたいことです。

 

 津雲邸は、戦前から戦後にかけて衆院議員だった津雲國利さんが所有していた約700坪の大邸宅です。京都の宮大工が青梅に呼ばれ、地元の大工さんと共同で建てたもの。一般公開が始まったのは、2014年の11月からとのことなので、まだ、あまり知られていないかもしれません。私は、まったく知りませんでした。

 

 原則として室内の撮影は禁止となっていますが、当日は、特別に許可していただきましたので、何枚か、写真をアップさせていただきます。

 

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 入り口に掲げられた暖簾は、絽でできています。津雲家の家紋はアゲハチョウが2羽向き合った「対ひ蝶」だそうです。このため、家屋内には、蝶の造作がたくさんあります。

 6月7日から7月21日までは、「美しき日本の工芸」がテーマ。驚いたことに、野々村仁清、尾方乾山、高村光雲、鈴木基一など、そうそうたる名作家の作品が、実にさりげなく展示されているのですから驚き。

 

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 今はガラスがはまっているので困難ですが、昔は、この障子から猫が出入りできたのだそうです。それで、猫間障子。

 

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 障子の桟は、水平ではなく、掃除がしやすいように手前側が低くなっています。

 

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 こちら側は雪見障子。ガラスは、オランダから輸入したもの。当時の日本の技術では縦横にゆがんだガラスしか製造できなかったとのことで、縦のみに少しだけ歪みのある珍しいガラスです。

 

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 チョウがいっぱい。2階のチョウは、朝日や夕日でチョウの影が障子に綺麗に移るよう、彫り方に絶妙の工夫を凝らしているらしい。

 

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 2階は、とてもゆったりとしています。

 

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 トイレの戸まで、杉の一枚戸。贅沢~。

 

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 戸の狭さから、中は男子専用のオールドファッションの便器が鎮座していると思っていたのですが、最新式のウォシュレット。

 

f:id:koro111koyampi:20190712184248j:plain トイレの洗面施設です。最新のものにリニューアルされていますが、重厚な建物にマッチしていますね。トイレにまで欄間彫刻とは!

 

 何時間も留まって細かいところまで拝見していたい素敵な施設でした。

 私たちがお邪魔した日は、特別に開けていただけたので、喫茶コーナーはお休みでしたが、通常の開館日には、美味しい飲み物がいただけるようですよ。

 

 近くに素敵なランチの店も見つけたので、今度は、通常の開館日に、もう一度ゆっくりお邪魔することにしています。もちろん、喫茶コーナーも利用したいと思います。

 

 ご案内いただいたご主人には、最初から最後までお付き合いいただき、様々なご説明をしていただきました。

 

 幹事さんの計らいで、小沢酒造の売店仕入れた酒饅頭と、とっても固い豆腐を付けていただきました。お昼でちょっと「あれれ」はあったものの、最高のバス旅行を楽しむことができました。

地元シニアの青梅バス旅行(中編)

澤乃井のお酒をもう一杯試飲したかったなぁ」と未練たらたらのこやんぴを乗せたバスは、そんな未練などお構いなしに、青梅市の中心街へと向かいひた走ります。

 

 昼食は、「公共の宿」の部類に属する宿で頂くことになっていたようです。「公共の宿の部類」という表現はおかしいのですが、経営母体が民営化してしまったので「公共の宿」と言い切ることができないから。でも、施設の造り方にしても、サービスにしても、そこかしこから公共感が漂います。

 

 施設の造り方に関しては、外観こそ、全国にある同系列の宿ごとに異なりますが、宿の中身はほぼ同じ。ほとんど使わない無駄に広い大広間があったかと思えば、お土産売り場はちんまりとし過ぎて、視線と商品の陳列の間に齟齬が。これでは、選んで買う楽しさが半減。「売れなきゃ困る」必死さを感じる民間の施設を見習った方がよろしいかと。

 サービスについては、受付に二人もいるのに、すぐ脇にある自動券売機で利用料を支払わなければなりません。「なんなら安く利用させてやっても良いぜ」感丸出しです。「安く利用」とえばってみたところで、最近の民間の宿はというと、宿泊料を下げて安くしても、ここぞというサービスはぐぐっと上げる心意気。安さだけでは売りにならないことに早く気付くべきです。

 

 厳しいことを言うようですが、心の中では、「公共の宿にも頑張ってもらいたいんだよ」とエールを送りつつ、こやんぴたちは二階の食堂へ。やはりお料理は楽しみです。わくわく。

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 テーブルのメニューで確認したところ、1600円の料理のようです。

 

 楽しみは、がっかりに変わりました。

 天ぷらはべちゃべちゃの上に大量の塩が混入していて、ヘルシーとはとても言えません。

 刺身は、もともとの質も悪そうで、加えて、作り置き感満載なので新鮮さがどこにも見当たらない。ご当地感もほぼゼロ。

 全体的に、塩や化学調味料でごまかしている三流料理でした。

 

 前回、大学の仲間と、ここと同系列の磯部温泉の宿でお昼を食べたことがあります。

 仲間の一人が「トイレに行きたい」というので、寄らせていただいたのですが、トイレだけ借りるのは失礼だと思い、お昼を食べることになったのです。

 味もサービスも最低でした。

 

 偶然、その日に、ここを経営する上部組織から、老朽化した施設を廃止することがプレス発表されたのですが、磯部温泉の宿はずばりその対象でした。従業員の人たちの脱力感の原因は、これだったのだな、と納得したものです。

 

 青梅の宿は、施設がまだ老朽化していないし、温泉の泉質が良いみたいで、旅行サイトでの評判もは、まあまあ、そこそこ。お客さんも結構入っていました。このため、今回の廃止対象リスト入りは免れたようです。我々のお昼の料理がいまいちだったのは、たまたま作り置きの用意が早過ぎただけだったのかも。

 

 ところが、ところが! 私たちの団体が食べ終わり、幹事さんが料金を支払った後、温泉に入る者、多摩川沿いの公園散策に出かける者など、それぞれがのんびり過ごしている間に、とんでもない事件が発生したらしいのです。

 

 どういう加減か、私たちのグループが「食い逃げをした」と、従業員さんたちが大騒ぎをしたらしい。私たちは、何も知らずに公園散策などを楽しんでいたのですが、ロビーで待機していた旅行会社の社長さんが、その騒ぎを聞きつけ大激怒。

 宿の責任者が社長さんに平謝りだったらしい。

 その責任者の方がバスの出発を丁寧に見送りに出てきたので、「あれ、ずいぶん親切だな」と思ったら、そういうごたごたがあったからのようで、出発してからも、社長さんはぷんぷん怒っていました。

 

 ここまで書いてきて、「あれ、そう言えば・・・」と思うことがありました。

 私や他の方数人が、バスを待つ間に、狭い土産物売り場で品物を見て歩いていると、レジ担当の従業員さんが、必要もないのに、何度も何度も、品物を物色している私たちの近くに、これ見よがしに近寄っては去っていき、近寄っては去っていく行動を繰り返すのです。正直、「何なんだよ、万引き犯と間違えているのかよ。」と思い、ちょっと不愉快な気分になりました。

 思い過ごしかもしれませんが、従業員さんの間に、「あのグループは食い逃げ未遂の要注意グループ。土産物売り場も気をつけなよ~。」といったコミュニケーションがあったのかも。

 今ごろになって、腹が立ってきましたが、まぁ、忘れることにしましょう。旅行サイトの口コミには、「サービスが良い、スタッフの方は皆親切、お料理がおいしい」のオンパレードなんですから、この日は間が悪かったんですね、間が。

 

 宿の下を多摩川がヘアピンカーブを描いて流れています。

 絶景です。

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 公園があり、重要文化財の民家と郷土資料館もあります。

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 重要文化財の民家の屋根は、茅と杉板の相葺き。珍しいですね。

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 郷土資料館は、展示が古過ぎです。どこの市町村も、こういった社会教育施設に冷淡すぎますね。担当職員の方が気の毒でなりません。

 

 今回は、悲憤慷慨の回となってしまいました。

 繰り返しになりますが、間が悪かったんですね、間が。

 私は、お昼の弁当のことは、ノカンゾウオカトラノオ、ホタルブクロの花を見ただけで忘れてしまいました。

(今日、ちょっと思い出しちゃいましたけれど。)

地元シニアの青梅バス旅行(前編)

 昨日、地元シニアの集まりのバス旅行に参加してきました。

 コースは、まずは、東京都青梅市郊外に立地する酒蔵見学ツアーと、その後の試飲(わくわく)。その後、青梅市の中心街に移動し、昼食を済ませた後、富豪が戦前に建てた豪邸を見学するという内容。

 

 今年の幹事さんがまめな方たちで、メンバーを和ませるために、バスが動き出すと早速クイズや歌で皆を盛り上げてくれます。

 クイズはかなりの難問だったので、皆、首を捻りながら正答をひねり出そうと悪戦苦闘。答えが「ジイジ、バアバの正しい生き方」の参考になる薀蓄に富んだものなので、それにも「ほ~ほ~、なるほど!」、とても良い頭の体操になるとともに、日々の生活で気を付けたいことを再確認できたと思います。「正しい生き方」の方は実行できるかどうか心もとないところですが、脳内年齢が10歳ほど若返ったことは確かでしょう。

「こやんぴの脳内年齢は10歳なので、0歳になりましたぁ。」

 ほっといてください。

 

 我がシニアの会は、日ごろから、大きな声ではっきり話すことを心がけているので、参加者の歌声は、隣を走る乗用車やバス、トラックにも聞こえるくらい。いやぁ、大きな声を出すのは実に気持ち良いものです。

 

 高速を降りたバスは、青梅の市街地を抜け、ぐんぐん山が迫ってくる地域へ。

 雨が降り出したところで、清酒澤乃井」で知られた小沢酒造に到着。

 傘が必要かと思っていたら、バスが駐車場に入った段階で雨は上がりました。ついています、私たち。

 

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 坂道をちょっと登って、係の方に案内いただきながらの酒蔵ツアー。

 まず最初に入ったのが「元禄蔵」。

 

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 元禄と言っても「昭和元禄」ではなく、本家本元の元禄年間に建てられた蔵だとか。何百年も経っているのですね。ご説明によると、窓が無く天井がとても高いので、室内は年間も通じてほぼ一定。盛夏でも、クーラーを効かせた事務所よりも涼しいそうです。

 

 ここには、約10年前と約20年前の古酒が保存されていました。琥珀色をした芳醇なお酒になるとお聞きしては、後のお楽しみである試飲のコーナーに、このお酒があるのかどうかがついつい気になってしまいます。

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 ここと明治蔵は、お酒の貯蔵のみ。酒造りは一番新しい平成蔵で行われるのですが、今はオフシーズンなので仕込みはしていませんでした。

 

 この酒蔵の仕込水は2種類で、そのうちの一つが洞窟の奥に入っての見学が可能。岩から自然に染み出しているらしいです。

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 さあ、見学終了。

 いざ、道路を挟んだ河川沿いにある試飲コーナーへ。道路は渡らずに、地下道で向かうスタイルとなっています。

 

 皆、遠慮してなかなか試飲しないので、こういうことになると迅速なこやんぴが、犠牲的精神を発揮し(?)先頭に立ちました。

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 まずは、一升瓶で1万円以上するというお酒を選択。こういう機会でもなければ、なかなか飲めませんものね。試飲用のお猪口付きで500円。

 う~ん、うまい! 値段を知っているからでしょうか、「うまい!」としか言えません。

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 2杯目をどうしようかと迷うようなこやんぴではありません。飲み比べをしなければ試飲したことにならないではないですか。おや、よく見ると、元禄蔵でみた古酒も試飲できるようです。しかも、こちらは200円。ぐっとお値打ち。

 ぐい飲みはすでに入手済みなので、うれしい100円引き。100円だけ支払って手に入れた古酒はこんな色。

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 飲んでみると、これまた、長く貯蔵していることを知っていることもあって、「深みがあってうまい!」

 こやんぴの舌、まったくあてになりませんし、その上、語彙も乏しいので、日本酒ソムリエのようにお酒の味を表現する術を持ち合わせておりません。それでも、まずい酒だけは分かる、いえ、分かるつもりなので、2杯とも美味しくいただいたことは間違いありません。

 

 試飲所のすぐ下には多摩川が流れています。増水していますが、あまり濁らずにきれいな水が流れていて清々しい気分。

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 さあ、昼食会場へバスで移動します。

 というところで、中編に続く。

キンギョモの花

 我が家でお世話になっているお寺に、ちょっとした用事で出かけました。

 

 玄関脇の睡蓮鉢には、副住職が飼育されているメダカがいるのですが、その鉢から何か白いものが飛び出しています。どうやら水草の花のようです。

 

 近寄って見てみましょう。

 

 メダカさんが、水草を縫うようにして悠々と泳いでいました。

 なかなかじっとしてくれないので、ピントが定まりません。

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 メダカさんの左上に見えているのが「何か白いもの」。でも、これは咲き終わった後の姿。

 

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 こちらが、今を盛りと咲いている水草の花。

 水草は、いわゆる「金魚藻」ですね。せっせと光合成をしているとみえて、泡がぶくぶくと。

 

 それにしても、キンギョモってオモダカみたいな花をつけるんだぁ。知らなかったなぁ。

 

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 花の大きさは、1センチメートルほどでしょうか。本当にオモダカに似ています。

 白い花弁はとても薄く、向こう側が透けて見えそうな気がします。

 

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 花弁の下に見えるのは萼でしょうか。こちらは、花弁よりもずっと薄く、まさに半透明。

 

「キンギョモには、オモダカのような花が咲くんだ。そうか、そうだったんだ。」と単純に考えていたのですが・・・

 

 こやんぴのように水草に関心が薄いと、睡蓮鉢に入っている水草の中で、細い葉がふさふさで棒状の草は、すべて金魚藻(キンギョモ)ということになってしまいます。実に大雑把。

 素人が「金魚藻」と一括りにしてしまっている「キンギョモ」には、実際は、多種多様な科に属する植物が含まれていたのですね。ああ、知らなんだ、知らなんだ。

 

 で、お寺の睡蓮鉢の中に生育している「キンギョモ」は、調べたところ、どうやらオオカナダモであるらしい。オモダカトチカガミ科に属するとのこと。「目(もく)」が同じなので、花がオモダカに似ているのもむべなるかな。

 

「カナダ」という名前が付いているとおり、外来種

「おやまぁ、あの雄大で冷涼なカナダからお出でなのかい。」

と思ったら、情熱的なラテンアメリカ原産とか。なんじゃそれ。カナダも南アメリカも、太平洋を隔てた向こう側であることは同じでも、方向が違いすぎはしないか。間にアメリカ合衆国や中米諸国が挟まっているではないか。大雑把だなぁ。

(「キンギョモを一括りにしていたこやんぴがよく言うよ」と陰口を叩く者あり。)

 

 繁殖力が強く、自然界に逃げ出したものが、繁茂し過ぎて問題も起こしているとか。

 名前が名前なので、迷惑を被った人が、怒りに任せ、

「オー、カナダ! もう! 何なんだよ、カナダ~! 迷惑なんだよ、カナダ~!」

と叫んでカナダ嫌いになってしまったら、無実のカナダ、かわいそうすぎです。

 

 アクアリウムの世界では、オオカナダモとは呼ばず、アナカリスで通っているらしい。

「アナ」から「雪の女王」を思い出し、さらに、「寒い」をイメージして、「やっぱり、寒いカナダが悪い!」という人はいないと思うので、これならカナダも安心です。

 

 それにしても、どうして、カナダなんでしょうね。

平将門に会いに行く

 神田明神で「御神像奉納記念・特別公開 平将門公展2019」が7月1日から開かれています。

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 今回の特別展は、淺野健一さんの作られた「平将門命御神像」が神田明神に奉納されたことを記念するもの。神像は、通常、神殿に安置され、一般拝観できないとのことなのですが、特別展開催中は、この神像も資料館に展示されている・・・

 そう聞いては、高校生のころからの平将門ファンたるこやんぴとしては、何としても平将門に会いに行かなければなりません。

 

 幸い、7月5日が、東京医科歯科大学の検査日だったので、検査終了後、早速、すぐ近くの神田明神に出かけてきました。

 

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 平将門は、神田明神の第三神です。

 まずは、拝殿にて「命」となっている平将門にごあいさつ。

 

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 特別展は資料館で開催しているはずなので、拝殿横手にある資料館を訪ねました。

 

 あれ、閉まっています。しまった、今日は休館日なのか! 一瞬だけそう思いましたが、張り紙がしてあり、そこには「文化交流館の受付に回るべし」という趣旨が記してありました。

 

 文化交流館は、昨年末にオープンした施設。オープン前日に出かけて以来なので、初めて入場することとなりました。

「文化交流館でチケットを購入しても、資料館入口が閉まっていては入れないよな。どうするのだろう。チケットを購入したら、係の人がわざわざ資料館入口を開けに行くのかな。もしもそうだとしたら、随分無駄なシステムを採用するものだな。『特別展』と銘打ったものの閑古鳥が鳴いているのかな。」

と、首を捻りつつ、チケットを購入。300円でした。

 

「資料館の入り口が閉まっているのに、どうやって資料館に入るのですか?」

 そう聞こうとしたら、係りの人が、

「すぐそこの階段から地下に降りていただき、案内板に従ってトンネルを通って資料館にお入りください。」

と仰いました。

 知りませんでした、文化交流館と資料館が地下道で結ばれていたなんて。

 

 地下道の壁面には、様々な資料が展示されていますが、ほとんど解説がありません。ふ~ん、と思いつつ階段を上がれば資料館・・・と思いきや、何と、まだ拝殿の脇。幔幕があり見通せませんが、どうやら拝殿では祈祷が行われている様子。

 拝殿の脇を通って少し進むと、やっと資料館。まるで迷路です。

 

 資料館に入ると、1階は薄暗く、衝立で隔てられた奥に何やら隠してある模様。覗いては失礼にあたるので、そのまま2階へ上がりました。

 作品の撮影は、当然できないと思っていたのですが、なんと撮影自由の張り紙が。神田明神、太っ腹~。

 

 本日のブログのトップの写真にも写っている展覧会のチラシも展示されていました。「チラシまで展示するなんて、よほど展示が貧弱なのかな。」

とお思いですか? いえいえ、どうしてどうして。右目だけにスポットを当てているのです。なかなか効果的な演出ではありませんか。最初に「ぎょっ」とさせるなんて。

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 下の作品は、こうじょう雅之さんの平将門

 こ、怖~。

 私の持っている将門のイメージとはまるで違いますが、大迫力ではあります。

 将門のライバルたちは、

「将門が怖いよう! そうそう、こんなイメージなんだよ、将門って。悪い奴なんだよ、ひどい奴なんだよ。」

 そう思っていたかもしれません。

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 続いて、木村了子さんの平将門

 うん、こちらの方が、私のイメージに近いな。よっ、悲劇のヒーロー、関東武者の誇り、平将門

 将門が大好きなので、彼を滅ぼした藤原秀郷平貞盛は大っ嫌い。

 ちなみに、将門の従妹である平貞盛は、平清盛のご先祖様。

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 神像の作者、淺野健一さんの阿吽の面。

 ものすごい迫力ですね。

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 おんや、2階には将門像がありません。3階にあるのかな。

 

 3階に上がりました。ここは常設展示で、神田祭に関する展示などが主。将門像は、ここにもありませんでした。

 

 2階にもう一度戻って、ぐるり一周。将門像、どこに隠れてしまったのか・・・。

 

 あきらめて、1階に降りたところ、私の前を歩いていた二人組が、衝立の向こうを覗いています。

「あっ、覗いてはいけないところを覗くなんて、ルール違反だよな。」

 そう思いました。監視カメラをチェックしている係の人がとんでくるに違いない。

 

 とんできませんでした。

 

 なんと、将門さんは、この衝立の奥に控えていたのです。

 将門像目当てに特別展に入場したのに、危うく将門像をスルーするところでした。

 

 え~、その奥ゆかしい将門の像ですが、私の撮った写真はありません。

 将門像だけは、写真撮影禁止だったのです。

 

「こりゃあ、一人っきりでここに入ったら、さっさと逃げ出したかもしれないなぁ。」

「本当だね。怒られているみたいだ。」

 これは、私の前に将門像を覗いた二人の感想。それくらいのど迫力。

 でも、この二人は幸いでした。将門大好きで、決して逃げ出したりはしない私がいたものですから、二人も逃げ出すことなく将門像に相対することができたからです。

 

 将門のライバルたちばかりではなく、当時の朝廷のお偉いさんたちも、将門について、このようなイメージを持っていたことでしょう。震え上がって夜も眠れず、夜眠れないので昼間にこっくりこっくりしたり、目を覚ませばおろおろしたりして、

「誰か何とかしてくれ~」

と、ただただ震えていたに違いありません。

 歴史を変えることはできませんが、秀郷も貞盛も余計なことをしたものです。

 

※ 神田祭公式ブログに、迫力満点の将門像が掲載されています。

 

 帰りがけに、超有名な天野屋ではなく、二番目に有名で、かつ、川越にゆかりのある三河屋綾部商店さんにお寄りし、甘酒をいただいてきました。

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「外山康雄 野の花館」これまたびっくり

 出し惜しみしたわけではなく、昨日、一緒にアップするのを忘れてしまった花がありました。

 

 この花がそれ。

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 実は数日前に、何の説明もつけず写真だけアップしていたので、紹介もせず忘れてしまうなんてとんでもないことでした。

 

 蕊の天真爛漫なダンスが何とも言えませんね。

 こやんぴは、ひたすら長い蕊を見た瞬間、

「なんじゃこりゃ」

と思いました。

 

 この花、ナデシコの仲間なのです。カワラナデシコとは異なり、花弁が細かく枝分かれをしていないので、同じナデシコの仲間のカーネーションセキチクに近いイメージです。

 

 まるで園芸植物のようですが、これが野草とはちょっと信じられませんね。

 シナノナデシコナデシコナデシコ属)と言い、山地などに自生するとのこと。私は野生のものをまだ見たことがありません。ぜひ見てみたいと思っています。

「外山康雄 野の花館」で出会った珍妙な花

 今週の日曜日から火曜日まで、南魚沼市に滞在しましたが、中日の月曜日に、またまた「外山康雄 野の花館」を訪れました。

 

 野の花館は、関越自動車道の塩沢石打インターチェンジを出てすぐの所にあります。

 建物からして素敵です。地元の旧家を移築したものなので、地域の民家の構造を窺い知ることができます。

 入り口には、季節ごとに変わる暖簾がかかっています。そこに描かれているのは、もちろん外山さんの植物画で、その季節にぴったりのもの。

 入館するとすぐに受付けがあり、入館料300円を支払うと、何種類もある外山さんの植物画のしおりの中から、一つをいただくことができます。

 

 展示方法が変わっていて、外山さんの描く植物画と、その画に描かれた植物の鉢植えとが並んで展示されているのです。つまり、花盛りの植物ばかりの展示なので、管理はとても大変なのではないかと思います。

 

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 今回出会った植物の中で、一番驚いたのは、ウマノスズクサウマノスズクサウマノスズクサ属)・・・

 ではなくて、同じ属のオオバウマノスズクサ

 ウマノスズクサ草本植物で、ゆらゆらと飛ぶ姿で有名なジャコウアゲハの幼虫が食べる草として有名です。木本植物のオオバウマノスズクサは幼虫の餌にはならないのかと思っていたら、この葉も食べるようです。

 ウマノスズクサも、実に変わった花ですが、オオバウマノスズクサも珍妙な形の花をつけます。

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 ウマノスズクサの仲間には、毒が含まれていて、ジャコウアゲハの幼虫は、それをせせっせせっせと食べて毒を体の中にたくわえるので、チョウになる頃には毒だらけ。このため、鳥も食べるのを敬遠するのだとか。

 だからなのでしょうか、天下無敵のジャコウアゲハは、実にふわふわふわと現実離れした飛び方をしてすましているのです。

 

 野の花館では、作品を見終わる頃を見計らって、係の人が声をかけてくださり、コーヒーなどの飲み物を落雁付きで提供してくださいます。300円で様々な植物画とその商物の実物を拝見できる上にこのサービスなので、申し訳のないような気分になります。

 

 申し訳ない気分と言いながら、さて、もう何回お邪魔したことでしょう。